1.まずは「物流」について
「輸送」「配送」「運送」これらは全て「物流」の流れの一部を指します。
「物流」のことがわかっていないと、具体的にこれらをイメージするのは難しいかもしれません。
ですから、まずは「物流」について調べました。
「物流」とは「物的流通」の略です。文字通り、物を流通させる仕組みのことを指し、人を運ぶ意味はありません。
「物流」の中に「輸送」があり、その下に「運送」があり、最終的に「配送」がある、という順番に機能します。
物流には、トラックなどで物を運ぶ以外にも、保管、荷役、包装、流通加工、物流情報処理といった意味もあります。
ですから、物流センター、など物流という言葉が会社名につく企業にはたいてい、トラックだけでなく、倉庫や梱包のための施設があります。
2.「輸送」「運送」とはなにか
「輸送」とは簡単に言って、長距離にわたって物を運ぶことを指します。
「一次輸送」とも言われます。
例えば、工場から物流センターなどに一旦運ばれる事です。農産物を農家から市場などに運ぶことも輸送の範疇です。
たいてい、大量の物を運ぶことになります。
辞書で調べると、「人や物を運ぶこと」となっています。「物流」は人は扱わない、と前述しましたが、「輸送」という言葉の意味は広く、船や航空機で人や物を運ぶ際にも使われる言葉です。
しかし、物流の世界では、大量の物を長距離にわたって運ぶこと、という意味だと覚えておきましょう。
「運送」とは簡単にトラックで物を運ぶこと、と覚えましょう。
「運送」の意味を調べると旅客、貨物を運ぶこととなっており、輸送とほぼ同じ意味ですが、物流の世界では「運送」といったら、トラックで物を運ぶ意味になります。
ですから、「輸送」でトラックを使えば「運送」と呼ばれることもあります。
船や航空機で荷物を運ぶという意味で使われることはあまりありません。
3.「配送」とはなにか
「配送」という言葉は日常的によく使うので、すでに知っている方も多いのではないでしょうか。
「配送」は「二次輸送」とも言われます。
「輸送」によって物流センターなどに物が運ばれたのち、そこから比較的近距離の小口輸送をすることを指します。「配送」もトラックを使う場合は「運送」と呼ばれることもあります。
「輸送」のように、工場から物流センターに真っ直ぐ行けばいい、という流れはあまりないでしょう。
物流センターなどからコンビニなど小売店、エンドユーザーに物を届けるので、配送先は複数箇所に渡ることが多いです。
運ぶ物の大きさや多さでいうと、最も少ないのが「配送」になります。
ですから、小回りのきく軽トラックなどで配送することも多く「配送」という言葉を社名にしている会社は軽トラックでの配送を主にしている場合が多いでしょう。
4.9割はトラックでの輸送、まとめ
現在、「輸送」の手段にはトラックの他、船、航空機、鉄道があります。
しかし、ある調べでは日本の「輸送」の9割がトラックに頼っている、という報告があります。
この事情には、国土の狭い日本ならではといったことがあるようです。
首都圏などの小さな店舗は在庫を抱える場所がなく、したがってこまめに補充する手段をとらざるを得ないのです。
倉庫などを用意する土地代や賃貸料と、配送費を比べても、物流に頼る方がコストパフォーマンスがいいという結果のようです。
鉄道、船、航空機は店までダイレクトに配送できず、駅や港、空港から「運送」するしかなく、結果輸送費が高くつくという結果になります。
そんなこともあって、トラックでの輸送の割合が高くなるようです。
以上、「物流」における「輸送」「運送」「配送」について調べてみました。
「輸送」は長距離にわたって物を運ぶこと。ですから大型トラックを運転したい方は求人ではこの言葉をキーワードに探すといいでしょう。
「運送」はトラックを使って物を運ぶこと。
求人でこの言葉を見たら、それは「輸送」なのか「配送」なのかチェックしましょう。
「配送」は店舗やエンドユーザーに物を届けること。大型免許などを取る予定のない方は「配送」をキーワードに探すといいでしょう。
大雑把な説明ですが、だいたいこのように覚えておけば大丈夫です。
これらの言葉は物流の世界では常識なので、今後物流のお仕事を考えている方は必ず覚えておきましょう。